清浄山 安楽寺(大阪府茨木市)
安楽寺 令和4年4月の言葉
更新日:2022年4月5日
私の今は亡き父の言葉を、毎年4月になると思い出します。留年を繰りかえす私に向かって、「お前もそろそろ良い論文を書いて、龍大を卒業しなさい。仏教や真宗の専門書は、発行部数が少ないので、値段が高いのは当然だ。論文を書くのに必要な本は、お金にいとめをつけずに買いなさい。費用の事は心配するな。」...。
お寺の住職は、仏教の教えを死ぬまで勉強しなければなりません。拙寺では、代々の住職が買い揃えていた仏教や真宗の専門書は、寺の書庫に数え切れないほど残っています。孫子のことを考えると、まだまだ少ないかもしれません。お寺の住職を継ぐということは、上の本を代々大事に継いでいくということも、ひとつではないでしょうか。そのことを、父は分かっていたのでしょう。
ある意味、一般の大学教授になることは、それなりに専門書を揃えていなければなりませんが、その教授の子供が違う道に行くならば、親の揃えていた本は、無用のものになってしまいます。
私の息子は、住職を継ぐと言ってくれています。果たしてどのような本を揃えていくのでしょうか。
少し自慢たらしいですが、私は首席論文で卒業しました。
合掌
